趣意書

血管の障害は、脳卒中、心臓病、腎不全、動脈瘤など、様々な疾患をもたらして主要な死因となります。また、QOLを低下させて、高齢者では介護が必要な状況になる可能性もあります。動脈硬化を含む血管の障害は、高血圧、喫煙、高脂血症、糖尿病など様々な危険因子によってもたらされ、進行すると考えられます。したがってその予防は、血管の障害を早期に発見することと、さらに生活習慣の改善が重要と考えます。しかし、血管の障害に基づく疾患が多岐に亘るにも関わらず、メディアなどで取り上げられる機会は少なく、一般市民の認知度も低いと思われます。

また、医学界におけるこの分野の研究は、各学会等での研究発表がみられるが、十分とは言えず、特に大規模な多数の患者についての長期的な追跡研究が不足しているといえます。

血管の障害に関しては、医療従事者のみならず一般市民が広く情報を得る機会を設ける必要があり、医療従事者には積極的に意見交換をする場が必要であります。そのためには、医療従事者がこの分野の調査研究、知識の普及・啓発を行うとともに、最新の医療や健康管理に関する情報提供、指導、支援を一般市民に提供する場を設けることが必要であります。

当NPOは、血管障害調査研究、知識の普及、啓発を行うとともに、最新の医療や健康管理に関する情報提供、指導、支援を行うことによって、一般市民の血管機能の障害に関する知識を向上し、広く国民の健康増進に寄与することを目指します。

医学界における利益相反(COI)や企業主体の臨床研究におけるデータ改ざん事件、臨床研究法案成立における企業と医療従事者の関係の透明化などの状況を鑑みると、情報公開を通じてより透明性の高い運営を行うことで活動への理解や賛同を得たいと考えることから我々は特定非営利活動法人として独立して活動を行っていく必要があると考えています。

当NPOの運営に要する経費は、本来会員による会費によって、賄うべきでありますが、諸団体及び諸会社からの浄財に頼らざるを得ないのが実状であります。当NPOの趣意にご賛同いただき、ご協力賜りますようお願い申し上げます。

平成30年1月 吉日

特定非営利活動法人 血管健康増進協会